夏樹静子著『椅子がこわい-私の腰痛放浪記』
読み終わった。衝撃的な闘病記であった。
途中出てくる幾多の治療家たちの言うセリフが、いかにも自分も言いそうで笑ってしまった。
それでも一向に改善しない腰の痛みに、著者は医師や治療家の言葉に耳を貸そうとしなくなっていく。
結局、夏樹さんの場合は心身症だったわけだが、同じことが他の人にも当てはまるわけではない。一人一人違う原因を探るのは、一種謎解きとも言える作業だな。
この本の最初と最後で、文体まで変化しているのが、著者の生き方の変化を物語っているようで興味深かった。(正直、この本の前半はトゲトゲした感情の現れた文体であり、読み続けるのも嫌気がさしていたんです。)
痛みってなんだろう?苦しみってなんだろう?
この本は某治療家から紹介されたのですが、治療家の方々に限らず一読をお勧めします。